機能性表示食品の機能性の評価方法について知っておくべきポイント

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機能性表示食品は機能性があることを科学的根拠によって示し、適切に説明することが求められています。消費者庁に届出をしても評価方法が誤っていると受理してもらうことはできません。この記事では機能性表示食品の機能性の評価方法について知っておくと役に立つ情報を紹介します。

機能性表示食品の届出の準備をするときにはぜひ参考にして下さい。

こんなにある!目に関する機能性表示食品に使われる成分

機能性表示食品の機能性で選べる2つの評価方法

機能性表示食品として販売できる製品を開発するためには、機能性関与成分が含まれている食品について機能性の科学的根拠があることを説明することが必要です。消費者に対してこのような健康に良い効果があると表示できるのが機能性表示食品の特徴で、消費者がその表示を見て正しい情報を得て購入や摂取の判断を下せなければなりません。

そのため、表示されている情報の信頼性の高さが重要とされていて、科学的に評価して機能性があることを示していなければ機能性表示食品としては認められない仕組みになっています。成分や食品に機能性があるかどうかの評価方法として認められている手法には2つあります。

一つは医薬品の有効性や安全性を評価するのと同じように臨床試験を実施して評価する方法です。人を対象としてある程度の母集団数を確保し、実際に成分や食品を摂取させて健康などへの影響を評価します。動物実験では臨床試験としては認められないので注意しましょう。

もう一つは研究レビューと言われているもので、研究結果をシステマティックに評価することで健康状態などに及ぼす影響があるのかどうかを評価するのが特徴です。研究レビューはさまざまな文献に記載されている情報に基づく評価方法で、公開されている文献を一定のルールに基づいて選び出して内容を確認します。

多様な内容の文献を精査することで機能性について肯定的か、否定的か、不明瞭なのかといったことを見ていき、総合的な判断によって機能性の有無を決定するのが研究レビューの特色です。研究レビューの中には臨床試験の文献が含まれていなくても問題はありません。

研究レビューによる評価方法の流れ

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機能性表示食品の機能性の評価方法では研究レビューがよく用いられていますが、実施の仕方がやや複雑なので戸惑ってしまいがちです。機能性表示食品の研究レビューによる評価をどのようにして進める必要があるかは消費者庁が規定しています。

研究レビューによる評価方法の流れを大まかに確認しておきましょう。まずは届出をしたい食品に含まれている機能性関与成分について、どのような機能性を表示したいかを決めます。そして、表示したい機能性に関する臨床試験や観察研究などの研究論文をデータベースで検索します。

研究レビューをするときには実施者が検索ルールを設定して、一定の方法で論文を抽出していき、検索結果に出てきた論文は全て評価の対象とするのが原則です。次に、検索結果として出てきた論文を見て、開発した食品の特性や対象者、表示したい機能性との適合度から適切な論文を抽出します。

そして、機能性があると認められているか、認められていないかを分類します。このようにして分類した結果をまとめて、肯定的、否定的、不明瞭な結果を総合的に機能性があると認められるかどうかを判断することで評価が可能です。

最後に、使用したデータベースや論文の検索条件、抽出時の採用判定条件などをまとめて届出書類を作成します。

機能性表示食品と消費者庁に届け出る変更届について

研究レビューによる評価方法の注意点

研究レビューによる機能性の評価では注意点があります。レビューをするときに対象なる論文は限られている点にはまず留意しておく必要があるでしょう。人を対象とする臨床試験や観察研究の論文でなければならず、動物や細胞のレベルでおこなわれた研究の結果は対象になりません。

また、査読付きの論文で機能性が示されていなければならず、学会発表や新聞への寄稿、パネルディスカッションなどの内容はレビュー対象外です。なお、機能性表示食品として届出をしようとしている商品が対象とする年齢、性別、人種などの観点で著しく属性が異なっている研究についても対象にはできないので注意しましょう。

また、研究レビューは客観性と信頼性が重視されています。論文の検索結果から恣意的に論文を抽出することはできません。必ず他の人でも再現できるように抽出条件を決めなければなりません。レビューは専門知識を持っている人が複数携わることも求められています。

機能性関与成分の研究レビューでは、その成分と届出をする食品に含まれている成分の同等性を考察することも必要です。この他にも著作権法に抵触していないことを確認するなど、多角的な視点で信頼性のあるレビューを実施することが要求されています。

研究レビューを選ぶメリットとデメリット

機能性表示食品の機能性の評価方法として選ぶのは時間も費用も抑えられるのがメリットです。臨床試験を実施して機能性を評価するには数ヶ月から一年以上もかかり、規模によっては数百万円から数千万円がかかります。研究レビューなら慣れている人が社内に数名いれば数日で終えることが可能です。

外部委託をしても一ヶ月程度の期間、数十万程度の費用で実施可能です。しかし、研究レビューでは必ずしも肯定的な結果が見つかるとは限らず、不明瞭な情報ばかり見つかることもあります。また、自社の独自情報ではないのでマーケティングで競合他社との競争を繰り広げることになるリスクが高いのがデメリットです。

臨床試験を選ぶメリットとデメリット

機能性の評価方法として臨床試験を選ぶと表示したい機能性に合わせて試験を実施できるのがメリットです。消費者にアピール力がある文言を表示できるように工夫をして臨床試験を実施すれば、速やかに売れる機能性表示食品を生み出せるでしょう。

しかし、臨床試験を実施するには費用も時間もかかるだけでなく、場合によっては肯定的な結果が得られずに終わるリスクがあります。機能性があると示せるまで臨床試験の条件を検討し続けなければならない場合もあるので注意が必要です。

機能性表示食品の機能性の評価方法は慎重に決めよう

機能性表示食品の機能性は科学的根拠が説明されていなければなりません。機能性の評価方法として認められているのは臨床試験と研究レビューです。どちらかによって機能性についての肯定的な根拠が得られれば届出を受理してもらうことができます。

どちらが良いかはケースバイケースなので慎重に検討した上で決定しましょう。

詳細(薬事法ドットコム)