機能性表示食品と消費者庁に届け出る変更届について

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「機能性表示食品」を実際に見たことや聞いたことはあっても、細かい内容や仕組みについてはよく知らない人が多いでしょう。この記事では、機能性表示食品の制度の内容について説明します。また、事業者が機能性表示食品を販売するまでの手続きの流れや、届出の内容の変更があった場合に、消費者庁へ出す変更届についても説明します。

機能性表示食品とは

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機能性表示食品とは、事業者の責任において、科学的な根拠に基づいた機能性を表示した食品のことです。「おなかの調子を整えます」のような、健康の維持や増進に役立つ機能性が期待されています。機能性表示食品は、生鮮食品を含むほとんど全ての食品が対象になっています。

例外としては、アルコール飲料や脂質、コレステロール、糖質、ナトリウムの過剰な摂取につながるものなどが挙げられます。商品に機能性を表示する場合は、国の定めるルールに基づいて届出や容器包装への表示を行う必要があります。

商品を販売する60日前までに消費者庁長官へ必要な情報を届け出ますが、消費者庁長官からの個別の許可を得ることはありません。また、届け出た情報は消費者庁のウェブサイトで公開されています。商品を販売して終わりではなく、販売後も健康被害などの情報収集を徹底してください。

機能性表示食品を販売するために必要な手続き

機能性表示食品を販売するための届出を行う前に、6つの点を確認する必要があります。1つ目は、機能性表示食品の対象の食品になるかを判断することです。機能性表示食品は、未成年者や妊産婦、授乳婦を除いた病気にかかっていない人を対象にした食品です。

機能性関与成分が明確でない商品は対象にはなりません。また、機能性関与成分が厚生労働省が定める食事摂取基準に基準が定められた栄養素である食品も除外されています。2つ目は、安全性の根拠を明確にすることです。

これまでに商品が食べられた実績による食経験、データベースの2次情報などを使った情報収集、最終製品の安全性試験の実施の中のいずれかにより、安全性を評価します。機能性関与成分と医薬品との相互作用の有無を確認し、相互作用がある場合には販売の適切さを科学的に説明するようにしてください。

3つ目は、生産や製造、品質の管理体制を整えることです。衛生管理や品質管理の体制を整え、安全性を確保します。4つ目は、健康被害の情報収集体制を整えることです。健康被害の未然の防止や拡大の防止のために、消費者や医療従事者から健康被害の報告を受け取るための体制を整えましょう。

5つ目は、機能性の根拠を明確にすることです。最終製品を使った特定保健用食品と同じ水準の臨床試験の実施や、最終製品か機能性関与成分に関する研究レビューのいずれかによって、商品に表示する機能性の科学的な根拠を説明します。

6つ目は、適正な表示を行うことです。「機能性表示食品の表示等に関するガイドライン」に基づいて表示してください。

こんなにある!目に関する機能性表示食品に使われる成分

届出の内容の変更

届出の内容を変更する際、次の5つの条件のいずれかに当てはまる場合は新規の届出が必要になります。1つ目は、商品の原材料の配合の割合や製造方法について、変更前後で商品の同一性が失われてしまうほどの変更がある場合です。

2つ目は、科学的な根拠を持つ機能性関与成分や、成分が含まれている食品の機能性の変更がある場合です。3つ目は、1日当たりの摂取目安量に含まれる機能性関与成分の量の変更がある場合です。4つ目は、商品の1日当たりの摂取目安量が変わる場合です。

5つ目は、商品名を変更する場合です。変更届出が必要になるのは、新規の届出が必要になる5つのどの条件にも当てはまらない変更や追記する事項があった場合です。また、届出の内容に新規や撤回の届出が必要にならない程度の誤りがあった場合にも、変更届を届け出ることが必要になります。

変更届について

変更届出を行う場合には、新規の届出が必要になる5つの条件に当てはまらないことを説明し、次の4つについても留意してください。1つ目は、商品の表示についての内容です。商品の表示や表示のデザインに変更がある場合は、変更後の表示の見本と、表示を変更前後で比較して記載したものを届け出る必要があります。

2つ目は、連絡先などの事業者についての基本情報です。届出者と製造者とが同一なら氏名や住所に、異なるのなら氏名(名称)や所在地に変更がある場合に届け出てください。3つ目は、安全性や機能性の根拠についての情報です。

商品による健康被害の報告があった場合や機能性関与成分同士や医薬品との相互作用、新たな知見が得られた場合は、その内容を届け出てください。4つ目は、生産、製造や品質の管理についての情報です。商品の製造施設や生産する地域に変更がある場合や、試験の分析方法に変更がある場合に届出が必要になります。

また、届出日から60日経過した後の販売状況が変更された場合は、商品の販売の有無についても届け出るようにしましょう。変更届出を行う場合は、その変更の適切さを示す資料を添付する必要もあります。

事業者の責任

「機能性表示食品」制度では、事業者の責任において商品に機能性を表示しています。よって、機能性表示食品を販売する事業者は、4つの責任を伴います。1つ目は、科学的な根拠と表示する内容の適合に関する責任です。

科学的な根拠に基づいて確認した商品の安全性や機能性と、実際に商品に表示する表現とがかけ離れないようにしてください。また、消費者の誤解を招くような表現になっていないことについても責任を持つ必要があります。

2つ目は、健康被害の発生を未然に防止したり拡大を防止したりするため、情報収集して報告を行う体制の整備に関する責任です。健康被害があった場合には、消費者庁に報告する責任があります。3つ目は、安全性や機能性の科学的な根拠の内容や説明に関する責任です。

科学的な根拠を実証するのを第三者に委託することは認められていますが、その内容や説明に関する責任は事業者にあります。4つ目は、知的財産権に関する事項にかかわる責任です。科学的な根拠の説明などで、知的財産権を侵害していないかどうか確認する必要があります。

魚にも機能性表示食品があるって本当?

消費者のために

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機能性表示食品は、消費者が商品の機能性を見て選択し、購入するものです。よって、商品に消費者の誤解を招いてしまうような表示をすることは許されないことです。「機能性表示食品」制度は、消費者のためにできた制度です。

商品の機能性や安全性を科学的な根拠に基づいて証明し、適切な表示をすることを心掛けるようにしましょう。