こんなにある!目に関する機能性表示食品に使われる成分

サプリ11

現在は、目に関する機能性表示食品が増えてきました。日本は高齢化が加速しており、加齢による視力の低下は悩ましい問題です。加えてIT機器が浸透している他に、長時間労働を避けられないケースも多く、目に対する負担は若い世代や中高年でも懸念されます。

その結果、目に関する機能性表示食品は人気が高くなってきました。そこで、この記事では、どのような機能を持った成分があるのか具体的に紹介していきます。

機能性表示食品の機能性の評価方法について知っておくべきポイント

ルテイン:IT機器から目を守り老化対策にも人気

ルテインは元々、人間の様々な器官に含まれている成分です。この成分は黄色を呈する、カロテノイドの一種。カロテノイドは二種類あって、赤い色だとカロテン、黄色はキサントフィルに分類されます。ルテインは後者で、特に野菜に多く含まれるのが特徴です。

我々はこれまで、食事を通して摂取してきました。ところが近年は、野菜の摂取不足が目立っています。その対策として、機能性表示食品としてルテインを含んだ製品に注目が集まっているわけです。目に関する作用として、ルテインはブルーライトや紫外線をカットする効果があると言われます。

ブルーライトはPCモニターなどから発せられている可視光線です。眼に見えるレベルの光ですが、強いエネルギーを持つために眼球の深部まで到達し、網膜にダメージを与えると懸念されています。また、紫外線は言うまでもなく、過剰に浴びると人体に悪影響がある不可視光線です。

眼はこれらの光線を数十年にわたって浴び続けるため、ダメージが蓄積していきます。そのため高齢者になると影響が大きくなるのですが、近年はスマホやPCで目を酷使しますから、それだけ若者にとってもリスクが高まっており、早いと10代で異常が発生するケースも増えてきました。

これらの有害な光線を吸収するルテインは、色々な目の病気の予防に役立つと考えられています。例えば白内障や飛蚊症、加齢黄斑変性にも効果があるようです。加齢黄斑変性は耳慣れない病気かもしれませんが、実は高齢者の失明原因として有名で、医療界では恐れられています。

他に、ルテインはスマホ老眼対策にも利用可能です。スマホ老眼はIT機器の使いすぎで発症します。20代などの若者に、老眼のような症状が見られるのが特徴です。

目を守るルテインを含む機能性表示食品とは

アントシアニン:高い抗酸化力を筆頭に多彩な作用が魅力

ブルーベリーに含まれる健康成分として有名なのが、アントシアニンです。この成分は青紫の天然色素でポリフェノールの一種。自然界ではベリー類をはじめ、多くの植物に含まれています。アントシアニンは高い抗酸化力を持つ他に、目に関して多数の嬉しい作用が報告されており、数ある栄養成分の中でも注目度は抜群です。

現在ではサプリなどにも含まれていて、目の健康を維持するために広く利用されています。昔からブルーベリーは目に良いと言われてきましたが、その理由がアントシアンにあるとわかったのは近年のことです。第二次大戦中に視力が低下したパイロットが、ブルーベリーを食べた所、著しく機能が回復したと言うエピソードがあります。

これを受けてブルーベリーの研究が行われ、最終的にアントシアンに辿り着きました。現在では更に研究が進み、この成分に抗酸化力や、有害光線から人体を保護する機能があるらしいことがわかっています。アントシアニンを摂取することで、予防効果が期待できる病気は多彩です。

白内障の他に緑内障や、アレルギーによる目のトラブル対策にも利用されています。

ゼアキサンチン:抗酸化力が高くルテインとの相性が良い

ゼアキサンチンはルテインと似ています。カロテノイドの一種で、人間の目にも含まれている成分です。緑黄色野菜などに含まれているのが特徴ですが、やはり、現代人の野菜不足によって摂取量は低下していると考えられるでしょう。

その結果、機能性表示食品に含まれる、目に良い成分として注目度が高まっています。特にルテインとの相性が良いため、セットで使われるケースもしばしば。相互に作用を高めあうような性質があると言われます。抗酸化力が強いのが特徴のゼアキサンチンは、黄斑変性症と白内障の予防に役立つと言われてきました。

ゼアキサンチンは目の黄斑部と呼ばれる箇所が、活性酸素によりダメージを受けるのを、抗酸化作用をもって防ぐ効果があるとされます。加えて紫外線などの有害な光を、緩和するのも特筆点です。体内でルテインはゼアキサンチンに作り替えられるので、当初は同じような成分だと判断されたと言われます。

しかし、ルテインとゼアキサンチンは眼球の中で含まれる場所が違うことから、それぞれに違った役割があると考えられるようになりました。

アスタキサンチン:眼精疲労に役立つ

アスタキサンチンは赤色を呈する海産物に含まれる成分です。代表的なのは鮭でしょう。この成分は抗酸化力が強く、厳しい環境で生き抜くために特定の生物に備わっていると考えられています。例えば鮭は、命がけで川を遡って繁殖すると言う過酷な運命にあるため、高い抗酸化力をもつアスタキサンチンが役立つわけです。

また、ヘマトコッカスと呼ばれる藻の一種は、普段は緑色なのですが環境が悪化すると、赤く染まります。大量のアスタキサンチンを生成することで、劣悪な環境を生き抜くわけです。この成分を人間が摂取した場合、眼精疲労が軽減されたと言う研究結果があります。

ピント調節機能を回復させることで、疲れ目の症状が緩和されたわけです。また、抗酸化力が高いために、白内障などの疾患の予防も期待されています。

KW乳酸菌:目の疲れを緩和

活躍の場が広がっている乳酸菌の中には、目の健康に役立つものがあります。それがKW乳酸菌で、近年の研究において、眼精疲労の症状を緩和すると報告されました。目に関する機能性表示食品の中でも、乳酸菌というのは異例の存在でしょう。

作用のメカニズムに関しても、同じく異例と言えます。まず、眼球に直接、乳酸菌が入り込む余地はありません。このため、作用のメカニズムは、KW乳酸菌が小腸内でマクロファージと呼ばれる免疫細胞に働きかけるところから始まります。

これによってマクロファージが活性化され、IL-10と呼ばれる成分が増加するのです。IL-10は体内の炎症や免疫異常を抑制する上で重要な役割を持っており、結果的に、眼精疲労を回復させると言われています。

今後も目が離せない

目に関する機能性表示食品に、よく使われる成分をまとめてきました。日本は高齢化が進んでいる上、IT機器や働き過ぎによる若年層の目に関するトラブルも懸念されています。このため、今後は更に、これらの成分への注目度が高まる可能性はあるでしょう。

もちろん、新しい健康成分が登場する見込みもあるので、目が離せない分野です。